哺乳類と体毛
哺乳類の特徴といえば、基本的に毛に覆われていることともいえます。
犬、猫、猿、身近な哺乳類はすべて毛に覆われています。
ところが、ヒトは一部の部位を除くと、そこまで毛に覆われていません。
霊長類のなかでヒトだけが例外といえます。
では、ヒトの体毛はどこへ行ったのでしょう。残った部分はなぜムダ毛なのでしょう。
体毛の役割
水生哺乳類の場合、体毛に覆われていません。
むしろあると邪魔といえます。体毛がないことで水の抵抗が減少するからです。ヒトも水泳選手がムダ毛処理を徹底するのも同じ理由です。
では体毛があった場合、どのような役割があるでしょうか。
一番考えられるのは保温効果でしょう。
あるいは紫外線からの直射を避け、皮膚を守るというのもあるでしょう。
保温効果は、熱帯地域では邪魔になったりします。
そういえばゾウには毛皮のような体毛がありません。サイもありません。でもライオンには体毛があります。
この違いは何でしょうか?
おそらくゾウは体が大きくなり、暑い地域にいることから、体毛があると体温の上昇が激しくなり、身動きどころか生命の危険にまで関係するでしょう。そのため、毛皮は邪魔で、進化の過程でなくなっていったと考えることもできそうです。マンモスは毛に覆われていましたから、まさに環境に適応したということでしょう。
ではヒトは?
ヒトの場合は?
おそらく進化の過程で毛に覆われなくなり、一部に残ったと考えるしかないでしょう。
全身を覆う毛については、やはり対応調整のためでしょうか。また、汗による体温調節を身に着けたことで、体毛の必要性が薄れたのかもしれません。
頭部やワキなど、一部に残った体毛についても、おそらく進化の過程で意味があったのでしょう。
でも現代、頭部は熱にして、ワキやデリケートゾーンはムダ毛として扱っているわけですから、今後の進化で変化していくのかもしれません。
今は過渡期ということでしょうか。