トンスラ(tōnsūra)

毛を剃る宗教!

ムダ毛処理というわけではありませんが、髪の毛を剃ることが宗教と結びついていることがあります。
すぐに思い浮かぶのがお坊さんです。

デリケートゾーンを処理することがイスラム教の教えだとしたら、髪の毛を剃ることが仏教の教えなのでしょうか?
不思議に思いませんか?

実をいうとキリスト教でも髪の毛を剃ることがあります。
有名なのはザビエルを描いたとされる絵です。
頭頂部のみが丸く剃髪されている絵をご覧になったことがあるのではないでしょうか?

このように髪の毛を剃ることをトンスラ(tōnsūra)といいます。

ザビエルのように、カトリック教会の修道士の髪型などがそうで、頭頂部から側頭部や後頭部にかけてを毛を剃ったスタイルです。

これは、一説によると、キリストの聖名を侮辱する人々に頭頂部の髪を切り落とされた故事に由来するのだそうです。あるいは、イエス・キリストが十字架に磔刑されたときに、頭にかぶせられていた茨の冠を模しているという説もあるそうです。

日本ではトンスラは、カトリックの剃髪の髪型を指す言葉ですが、本来はカトリックだけでなく、仏教やヒンズー教も相当する言葉です。

そこで仏教にとっての剃髪とは、やはり髪の毛は信仰にとって「ムダな毛」ということらしいです。
仏教で説く「苦」とは、執着やこだわりによってもたらされるものです。
髪の毛があると、髪型などに執着したり、こだわったりして、そこに雑念が起きることになります。
修行に悪影響を与えることから、出家する場合は、坊主頭にすることになります。

つまり、修行にとってのムダ毛ということのようです。

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